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「話しながら聞く」日本語AI「Shizuku-Duplex」発表:相づちを打つ音声対話モデル、GPT-Liveに次ぐ性能とShizuku AIが主張

「話しながら聞く」日本語AI「Shizuku-Duplex」発表:相づちを打つ音声対話モデル、GPT-Liveに次ぐ性能とShizuku AIが主張

「話しながら聞く」日本語AI「Shizuku-Duplex」発表:相づちを打つ音声対話モデル、GPT-Liveに次ぐ性能とShizuku AIが主張

日本のスタートアップShizuku AIが2026年11月8日、日本語の音声対話モデル「Shizuku-Duplex」を発表しました。相手の話を聞きながら同時に話す「全二重」と呼ばれる方式を採用し、相づちを打ったり、話の途中で返したりと、人どうしの会話に近いテンポを目指したモデルです。同社によると、日本語で賢い対話ができる全二重モデルとしては、OpenAIのGPT-Liveを除けば初めてのものだといいます。

Shizuku AIは、AIキャラクター「しずく」を手がける日本のスタートアップです。2026年2月には、アメリカの大手ベンチャーキャピタルであるa16zが、日本のスタートアップに初めてリード投資家として出資した案件として話題になりました。今回の発表は、同社が目指す「そばにいるAIキャラクター」への第一歩として位置づけられています。

Shizuku-Duplexとは何か

これまでの多くの音声AIは、音声認識と言語モデル、音声合成を順番につなぐ「カスケード型」と呼ばれる仕組みでした。まず話し終わりを検知し、音声を文字に変え、言葉を考え、音声に直して返すため、返事までに待ち時間が生まれます。途中で口をはさむこともできず、相づちもありません。

全二重のモデルは、この待ち時間をモデル自身で扱います。聞きながら話すため、相手の話を聞きつつ「うん」「へえ」と相づちを打ち、話し終わるのを待たずに返事を始めることができます。OpenAIは2026年7月にGPT-Liveを発表し、AIと人が同じテンポで話せるようになりました。日本語でも、名古屋大学の研究グループによるJ-Moshiなどが公開されてきましたが、日本語で賢い対話をすることには、まだ課題が残っていました。

Shizuku-Duplexは、言語モデルを土台に、アーキテクチャから学習まで新しく設計したモデルです。同社の公式ブログによると、日本語の性能では、対話の自然さでGPT-Liveを含む6つのモデルの中で最も良い結果を示し、応答の品質は全二重モデルとしてGPT-Liveに次ぐ水準だったとしています。ただし、これらの評価は同社が独自に作った日本語版ベンチマークによるもので、第三者による検証値ではありません。

「話しながら聞く」仕組み:80ミリ秒ごとの推論

Shizuku-Duplexの心臓部は、80ミリ秒を1単位として動くリアルタイム推論です。1単位ごとにユーザーの声を聞き、自分の声を発します。声に出す内容は、声より少し先にテキストで書き出します。このテキストは、モデルの「ひとりごと」のようなもので、黙っている間も話している間も、相手の声はずっと聞こえています。この仕組みにより、いつ話し始め、いつ黙るかをモデル自身が決めることができるようになります。

80ミリ秒ごとに処理を終えるためには、高速な推論が欠かせません。同社はTensorRTやTritonカーネルを使った推論の最適化により、これを実現したと説明しています。カーネルレベルの最適化で、1単位の処理を80ミリ秒以内に収めているといいます。

二つのモデルで賢く答える:裏で調べる仕組み

調べものや込み入った考えごと、外部の道具を呼び出す作業を、会話と同時に行うことは簡単ではありません。そこでShizuku-Duplexは、会話を担う「interaction model」と、会話とは別に裏で難しい依頼をこなす「background model」の二つで動いています。

会話側のモデルは、調べものが必要になると「DELEGATE」という特別な合図を出し、裏側のモデルに依頼します。裏側のモデルは、ウェブ検索などの道具を使える仕組みの上で動きます。裏側のモデルが考える最中も、会話側のモデルは受け答えを続け、届いた結果をもとに自分の言葉で伝えることができます。たとえば旅行の予算を相談しながら、裏で宿泊費を調べ、数秒後に結果を織り交ぜて答えるといった動きが想定されています。

この二層の作りは、Thinking Machines Labが提唱した「Interaction Models」の考え方を参考にしていると、同社のブログは説明しています。道具を呼び出せる全二重モデルは、英語では公開例がありますが、日本語ではGPT-Liveを除き、同社の知る限り存在しないといいます。

評価結果:GPT-Liveと比べた位置づけ

日本語の全二重モデルの性能を測るベンチマークは、まだ十分に整っていません。そこで同社は、英語の評価手法を参考に日本語版のベンチマークを作り、Shizuku-DuplexとOpenAIのGPT-Live、J-Moshi、LLM-jp-Moshiを評価しました。参考として、全二重ではないGPT-RealtimeとGoogleのGemini Liveの評価も行っています。

結果として、Shizuku-Duplexは、話し始めのタイミングや割り込みへの対応など、ターンテイキングに関する6つの指標のうち5つで、全二重モデルとして最も良い結果だったと報告されています。話し終わりから返事までの時間の中央値は0.57秒で、GPT-Liveの0.53秒と同等でした。Gemini Liveは1.27秒、GPT-Realtimeは1.61秒と、長くなっています。

一方、応答の内容では、GPT-Liveとの差も見えます。雑談の関連性は10点満点で6.5点と、GPT-Liveの8.5点を下回りました。複数回のやり取りでの質問応答の正答率は79パーセントで、GPT-Liveの95パーセントに及びません。ウェブ検索を使った調べものの正答率は43パーセントで、GPT-Liveの50パーセントに近い水準でした。同社は、応答内容の評価では全二重モデルとしてGPT-Liveに次ぐ性能で、既存の日本語の全二重モデルを大きく上回ったとまとめています。

なお、評価の採点には音声認識モデルとClaude Opus 5.5が使われており、数値は同社の発表によるものです。ベンチマークの妥当性を確認するため、同社は同じ手法で英語版の評価を作り、GPT-Liveの値が公開されている公式値と同等になることを確認したとしています。

長い会話への工夫と「しずく」が目指す未来

長時間の対話では、過去に話したことを覚えている必要があります。全二重モデルは黙っている間も常に文脈が伸びるため、会話が長くなると応答が崩れていくことが報告されています。Shizuku-Duplexでは、約5分ごとに対話内容を要約し、文脈を作り直す仕組みを導入しました。この切り替えを1単位以内に処理することで、会話の途切れを発生させずに長時間の対話も可能にしているといいます。

Shizuku AIが目指すのは、AIキャラクターが一人ひとりのそばで一緒に暮らす未来です。同社のブログは、人がそこにいると感じるのは、言葉の中身だけではなく、うなずきや間、声の調子、表情の変化があるからだと説明しています。GPT-Liveは誰にでも同じように応える賢いアシスタントですが、「しずく」は人とのやり取りの中で育っていくAIキャラクターを目指すといいます。

現在のShizuku-Duplexには、まだ課題もあります。同社は、対話能力の継続的な改善と対応言語の拡充に加えて、音声だけでなく、視覚や行動への対応を進めていくとしています。2026年11月8日時点で、一般の人が試せる案内は公式サイトにはありません。今後、実際に「しずく」と話せる日が来るのか、注目が集まります。

Frequently Asked Questions

Shizuku-Duplexとは何ですか

Shizuku AIが2026年11月8日に発表した、日本語の全二重音声対話モデルです。相手の話を聞きながら同時に話すことができ、相づちを打ったり、話の途中で返したりと、人どうしの会話に近いテンポを目指しています。同社によると、GPT-Liveを除けば、日本語で賢い対話ができる初めての全二重モデルだといいます。

Shizuku-Duplexは今すぐ使えますか

2026年11月8日時点で、一般の人が試せる案内は公式サイトにはありません。発表は技術の公開が中心で、提供の時期や方法については明らかにされていません。今後の発表を待つ必要があります。

GPT-Liveと比べて何が違いますか

同社の評価によると、対話の自然さではGPT-Liveを含む6つのモデルの中で最も良い結果を示し、応答の品質はGPT-Liveに次ぐ水準だったとしています。一方で、雑談の関連性や複数回のやり取りでの質問応答の正答率はGPT-Liveを下回りました。最大の違いは、Shizuku-DuplexがAIキャラクター「しずく」のために作られ、表情や動きと結びつくことを目指している点です。

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