PLaMo 3.1 Prime登場:国産AIがWeb検索とDeep Researchに対応、社内文書だけの調査も可能に
日本のAI企業Preferred Networks(PFN)が、国内で一から開発した生成AIの最新モデル「PLaMo 3.1 Prime」の提供を2026年10月27日に始めました。今回の目玉は、Web検索と「Deep Research」という調査機能です。調べたいテーマを伝えるだけで、AIが自分で検索を繰り返し、出典付きのレポートにまとめてくれます。海外の大手モデルが並ぶなか、国産モデルが「調べる力」を前面に出してきた形です。さらに、企業の社内に置くオンプレミス環境でも使える点が、ビジネス利用を意識した大きな特徴になっています。
PLaMo 3.1 Primeとは何か
PLaMo(プラモ)は、PFNが国内でフルスクラッチ開発する生成AIの基盤モデルです。海外のモデルを土台にするのではなく、学習から自社で行っている点をPFNは強調しています。3.1 Primeはその最新フラッグシップで、2026年6月に登場した3.0 Primeの後継にあたります。
今回のモデルは、情報通信研究機構(NICT)との共同研究で得られた事前学習モデルをベースに開発されました。安全性の評価でもNICTの支援を受けているとPFNは説明しています。国産であることに加え、公的機関との連携を前面に出す姿勢は、企業や官公庁の利用を想定したものといえます。
提供形態は3つあります。ブラウザで使う「PLaMo Chat」、開発者向けの「PLaMo API」、そして企業の社内に設置するオンプレミスです。Amazon Bedrock MarketplaceやSnowflake、Microsoft Foundry経由での提供も行われています。APIには無料プランが新たに加わり、試しやすくなりました。
Web検索とDeep Researchで何ができるのか
3.1 Primeのいちばん大きな変化は、Webを検索して最新の情報に出典付きで答えられるようになったことです。これまでのモデルは学習した時点までの知識で答えるのが基本でしたが、3.1 Primeは質問の内容に応じてWebを検索し、最新の情報を参照したうえで出典を示して回答します。
さらに、その検索の力を応用したDeep Researchも加わりました。仕組みは次の通りです。利用者が調べたいテーマを入力すると、AIがまず調査計画を立てます。次に、さまざまな観点からWeb検索を繰り返し、集めた情報を読み比べて整理します。最後に、出典付きのレポートにまとめます。一連の作業は数分から数十分かけて自律的に行われるといいます。一度の検索では答えにくい、複雑な質問の調査に向いています。
たとえば、競合他社の動向を調べたり、新しい制度の要点を整理したりする場面が想定されます。レポートには出典が付くので、利用者は元の情報源を確認しながら内容を確かめられます。調査の手間を減らしつつ、根拠の確認もできる設計です。
オンプレミス対応が意味すること
Deep Researchは、企業の社内に設置するオンプレミス環境でも使えます。社内文書の検索システムと連携すれば、社内文書とWeb情報の両方から情報を集める調査ができます。外部と遮断した閉域の環境では、社内文書だけに限定した調査も可能です。
この点は、機密情報を扱う企業にとって重要です。金融機関や製造業など、社外にデータを持ち出せない組織でも、AIによる調査を使えるようになります。実際、提供開始の前日である10月26日には、SMBCグループのシステム開発と運用を担う日本総合研究所がPLaMoのライセンス契約を結び、オンプレミスでの全社利用を始めたと発表しています。提供初日から、さっそく大口の導入事例が付いた形です。
性能はどれだけ上がったのか
PFNが公開した評価によると、3.0 Primeと比べた改善は次の通りです。推論モードでは、Web検索を使った質問応答のベンチマークで平均2.4ポイント、Web検索レポート関連のベンチマークで平均11.1ポイント向上しました。ハルシネーション、つまりAIが事実と異なる内容を述べてしまう問題に関する8つの評価では、平均で約15パーセントスコアが上がったといいます。
一方で、PFNは苦手な点も自ら公表しています。数学やコード、Web検索の質問への回答では、比べた他社のモデルを下回るとしています。こうした弱点を隠さずに示す姿勢は、業務で使う側にとってはむしろ判断材料になります。どの用途に向き、どの用途に向かないかが分かれば、導入の検討もしやすくなります。
料金と無料で試す方法
APIの料金は、Standardプランで入力が100万トークンあたり60円、出力が100万トークンあたり250円です。トークンとは、AIが文章を処理する際の単位で、日本語ではおおよそ1文字が1トークン前後にあたります。短い質問なら数円程度で済む計算です。
PLaMo Chatでは、2026年11月30日までの期間限定で、Deep Researchを1日2回まで無料で試せるキャンペーンを行っています。まずは無料の範囲で使い勝手を確かめ、調査の質や出典の付け方を見てから、本格的な利用を考えるのがよさそうです。無料プランのあるAPIと合わせ、試すハードルは低くなっています。
国産AIのこれから
PLaMo 3.1 Primeは、Web検索とDeep Researchを武器に、調査業務の現場へ踏み込んできました。オンプレミス対応と日本総合研究所の導入事例は、企業利用を強く意識した展開です。性能面では他社モデルに及ばない部分があるとPFN自身が認めているものの、社内文書だけの閉域調査ができる点は、海外モデルにはない強みといえます。
日本の企業がAIを導入する際、データの扱いや日本語の精度は大きな判断材料になります。PLaMoがその期待に応えられるかどうかは、これからの導入事例と利用者の声が決めることになるでしょう。まずは無料のキャンペーンで、自分の仕事の調査に使えるかどうかを確かめてみる価値があります。
Frequently Asked Questions
PLaMo 3.1 Primeは無料で使えますか
はい、試す方法があります。PLaMo Chatでは2026年11月30日まで、Deep Researchを1日2回まで無料で試せるキャンペーンが行われています。APIにも無料プランが新たに加わりました。まずは無料の範囲で使い勝手を確かめるのがおすすめです。
Deep Researchとは何ですか
調べたいテーマを伝えると、AIが調査計画を立て、Web検索を繰り返して情報を集め、出典付きのレポートにまとめる機能です。一度の検索では答えにくい複雑な質問の調査に向いており、作業は数分から数十分かけて自律的に行われます。
社内の機密文書をAIに調べさせることはできますか
はい、オンプレミス環境で利用できます。社内文書の検索システムと連携すれば、社内文書とWeb情報の両方から調べることができ、外部と遮断した閉域では社内文書だけに限定した調査も可能です。機密情報を社外に出さずに使えます。



Post Comment