ソニー、2026年度第2四半期は過去最高益 PS6開発は「予定通り」、メモリ高騰が課題に
ソニーグループが11月5日に発表した2026年度第2四半期の決算は、売上高も営業利益も四半期として過去最高を更新する好内容だった。映画やゲーム、音楽といったエンターテインメント事業が好調で、通期の見通しも上方修正された。一方で、決算説明会では次世代ゲーム機の開発状況や、利用者の間で不安が広がるPlayStationアカウントのセキュリティ問題も話題になった。好決算の裏側で、ソニーが抱える課題も見えてきた。
売上高3兆4294億円、営業利益6223億円
2026年度第2四半期(2026年7月から9月)の連結売上高は前年同期比10パーセント増の3兆4294億円、営業利益は同45パーセント増の6223億円となった。いずれも第2四半期として過去最高だ。上期の連結営業利益は初めて1兆円の大台を突破した。好調な業績を受けて、ソニーは通期の営業利益見通しを1兆8700億円へと引き上げた。前回予想と比べて9パーセントの上方修正になる。
業績をけん引したのはエンターテインメント事業だ。映画では、9月に公開されたスパイダーマンの新作が世界的に大ヒットし、世界興行収入は25億ドルを超えたと報じられている。北米では歴代1位、全世界では歴代3位に達したという。ゲーム事業では利用者のエンゲージメント向上が続き、音楽ストリーミングの拡大も寄与した。
ゲームとネットワークサービス部門の営業利益は2201億円で、前年同期比83パーセント増と大きく伸びた。PlayStationプラットフォームの月間アクティブユーザー数は9月に1億2700万アカウントとなり、前年同月比7パーセント増で、9月として過去最高を記録した。一方で、PlayStation 5本体の販売台数は260万台にとどまり、前年同期の400万台から減少した。累計販売台数は9790万台に達している。
PS6の開発は「予定通り」、投資は来期から本格化
決算説明会で注目を集めたのが、次世代プラットフォーム、つまりPS6の開発状況だ。ソニーの陶琳最高財務責任者は、開発は「予定通り進んでいる」と明言し、開発そのもののスケジュールに問題はないと述べた。次世代向けの投資は下半期から額が増え、一部は会計処理上、来期に計上される見通しだという。
ただし、投資の進め方には慎重な姿勢も示された。陶氏は、メモリ価格の高騰を「経営が直面する課題の一つ」と認め、将来の成長のためには新しいプラットフォームへの投資が必要だが、プラットフォームの健全性を支えながら「合理的に投資する」必要があると述べた。AI需要の拡大でメモリ不足が深刻化しており、メモリ価格は過去12カ月で大幅に上昇したと報じられている。
オンライン上では、PS6の部品コストに関する未確認の見積もりも出回っている。あるリーカーは、メモリとストレージだけで680ドルを超えると主張しているが、これはソニーが確認した数字ではない。ソニーはPS6の発売時期や価格について何も発表しておらず、正式な情報が出るまではうわさを事実として受け取らない方がいい。
PlayStationアカウントの不正アクセス問題にCFOが言及
好決算の一方で、説明会の焦点の一つとなったのがサイバー攻撃への対応だ。PlayStationのオンラインサービスでは、利用者本人の許可なく家族アカウントが追加されたという報告がSNS上で相次いでおり、不安の声が広がっている。ソニーはこの件について詳細な説明をまだしていないが、陶氏は決算説明会でこの問題に言及した。
陶氏は、「一連の事象が起きていることは経営として重く受け止めており、ご迷惑とご心配をおかけしたお客さまやステークホルダーの皆さまに深くお詫び申し上げます」と述べた。そのうえで、サイバー攻撃がより複雑化し、高度化する中で、これまで以上の取り組みが必要だと実感していると語った。今後はAIを防御側にも活用することを含め、全社として対策の重要度を上げて取り組む方針だという。
利用者として今できることは、PlayStationアカウントのパスワードを強固なものに変え、二段階認証を有効にしておくことだ。身に覚えのない家族アカウントの追加や、知らない端末からのログイン通知が届いた場合は、すぐにパスワードを変更し、ソニーのサポートに連絡するのが望ましい。
任天堂は減収増益、メモリ高騰は業界全体の課題
同じ日に決算を発表した任天堂は、ソニーとは対照的な結果だった。2026年9月中間連結決算は、売上高が前年同期比12.1パーセント減の9660億円、最終利益は11.0パーセント増の2209億円で、減収増益となった。昨年6月に発売したニンテンドースイッチ2の反動減があったが、利益率の高いソフトの販売が好調で利益を押し上げた。スイッチ2の販売台数は前年同期比37.4パーセント減の649万台だったが、ソフト販売はスイッチ2向けが18.8パーセント増の2449万本と伸びた。
古川俊太郎社長は、メモリの調達状況について「メモリ状況に重大な変化はなく、十分な供給量を確保できる」と説明した。ソニーと任天堂の受け止めには温度差があるが、メモリ価格の高騰はゲーム業界全体にとって無視できない課題になっている。デル社のマイケル・デル最高経営責任者は、2027年にはメモリ不足がさらに悪化するとの見方を示したと報じられている。
半導体分野では、ソニーは8月に台湾のTSMCとの合弁会社設立に向けた確定契約を締結した。メモリや半導体の供給網をめぐる動きは、今後の決算にも影響しそうだ。
好決算の先にあるもの
ソニーの第2四半期決算は、エンターテインメント事業の強さをあらためて示した。映画の大ヒット、ゲームの利用者拡大、音楽の成長がそろい、通期見通しの上方修正につながった。PS6の開発が予定通り進んでいるという発表も、ゲームファンにとっては明るい材料だ。
とはいえ、メモリ価格の高騰というコスト面の課題と、PlayStationアカウントのセキュリティ問題という利用者の信頼に関わる課題は、どちらも簡単には解決しない。ソニーがAIを防御側に活用するという方針をどう具体化するのか、そしてPS6への投資をどう合理的に進めるのか。次の決算では、数字の強さだけでなく、こうした課題への対応も問われることになる。
Frequently Asked Questions
ソニーの2026年度第2四半期決算はどうだったのか
売上高は前年同期比10パーセント増の3兆4294億円、営業利益は同45パーセント増の6223億円で、いずれも第2四半期として過去最高を更新した。上期の連結営業利益は初めて1兆円を突破し、通期の営業利益見通しは1兆8700億円へ上方修正された。
PS6の開発状況はどうなっているのか
ソニーの陶琳最高財務責任者は、2026年11月5日の決算説明会で、次世代プラットフォームの開発は「予定通り進んでいる」と述べた。投資は下半期から増え、一部は来期に計上される見通しだ。発売時期や価格は発表されていない。
PlayStationアカウントの不正アクセスが心配なときはどうすればいいのか
まずパスワードを強固なものに変更し、二段階認証を有効にすること。身に覚えのない家族アカウントの追加や、知らない端末からのログイン通知があった場合は、すぐにパスワードを変更してソニーのサポートに連絡するのが望ましい。



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